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最強の行動経済学 行動経済学はどこで学べる?日本の大学・講座・検定を目的別に解説

行動経済学はどこで学べる?日本の大学・講座・検定を目的別に解説

日本で行動経済学を学べる場所を目的別に整理したイメージ図-大学・検定・オンライン講座・企業研修・専門家の発信という学習ルートを示した図解(行動科学)

What you’ll learn

  • 日本で行動経済学を学ぶ方法は、専門家の発信・オンライン講座・検定や体系プログラム・企業研修・大学や大学院の大きく分けて5つの方法がある
  • 大学に通わなくても、検定や企業の公開講座で体系的に学ぶ方法がある
  • 自分の状況に合わせて、何から始めれば良いかが分かる

Author

相良奈美香

Behavioral Economist

相良 奈美香

Namika Sagara

行動経済学者・Ph.D.(オレゴン大学)。行動経済学コンサルティング会社代表として、アメリカ・ヨーロッパの約100社にコンサルティングを提供。イェール大学、スタンフォード大学などで講演。著書『行動経済学が最強の学問である』は累計19万部超のベストセラー。

「行動経済学を学べる場所は、日本でも着実に増えてきました。ここ最近、ビジネスパーソンの方から『どれが自分に合うのか』というご質問を、とてもよくいただきます。以前よりも学び方の選択肢が広がりましたので、ぜひ自分に合う方法を探していただきたいと思います。」

行動経済学を学びたいと思ったとき、最初にぶつかるのが「どこで学べばいいのか」という問題です。大学に入り直す必要があるのか。社会人のままでも学べるのだろうか。独学で十分なのか。選択肢が一覧で見えていないと、いくら探してもなかなか定まりません。

日本で行動経済学を学べる場所は、専門家の発信、オンライン動画サービス、検定や体系プログラム、企業研修や公開講座、大学・大学院という大きく分けて5つの方法に分かれています。無料で気軽に触れられるものから、学位が授与される本格的なものまで、到達度や使い道に応じて数々の選択肢がある、というのが全体像です。教養として触れたい場合も、体系的に学びたい場合も、仕事の成果に直結させたい場合も、それぞれに合った選択肢があります。

そもそも行動経済学とは、人がなぜ合理的でない選択をしてしまうのかを、経済学と心理学を組み合わせて科学的に解明する学問です。学問の中身をもっと知りたい方は行動経済学とは何かをあわせてご覧ください。

日本で行動経済学を学べる5つの方法

5つの方法には、手軽さと本格度に幅があります。無料で読める専門家の発信が最も手軽で、大学・大学院が最も本格的です。その間に、オンライン動画サービス、検定や体系プログラム、企業研修や公開講座があります。

社会人の方からの相談で多いのは、「本格的に学ぶ=大学に入り直す」と思い込んでしまうケースです。実際には、社会人のまま体系的に学ぶ道は複数あります。まず雰囲気を知りたい社会人と、学位を取得したい学生とでは、選ぶ場所がまったく違います。

今すぐ誰でも学べる選択肢の早見表

社会人でも今日から始められる選択肢を、学べる場所と形式、向いている人に分けると、このようになります。

専門家の発信で学ぶ(無料で今日から始められる)

いちばん手軽に始められるのは、行動経済学を発信している専門家の情報を見ることです。費用をかけず、その日のうちに始められます。ここでは日本で行動経済学を発信している専門家を、発信媒体とともに紹介します。著書がある方は、これらの発信とあわせて読むと、理論の背景まで踏み込んで理解できます。

大竹文雄(note・X・著書)

大竹文雄氏は、大阪大学感染症総合教育研究拠点の特任教授です。京都大学経済研究所の特任教授も兼ねています。Ph.D.(UC Berkeley)を持ち、行動経済学会の元会長でもありました。労働経済学と行動経済学の両方を専門とし、政策の現場にも関わってきた研究者です。

発信はnoteやX(旧Twitter)で続いており、『行動経済学の使い方』をはじめとする著書も多数あります。労働や公共政策と行動経済学を結びつけた論考が多く、政策の現場を知る研究者ならではの視点が学べます。

阿部誠(テンミニッツTV・著書)

阿部誠氏は東京大学の名誉教授で、現在は中央大学大学院戦略経営研究科の教授です。Ph.D.(MIT)を持ち、マーケティングと行動経済学を架橋する研究で知られています。消費者がなぜそう動くのかを、データから読み解いてきた研究者です。

動画メディアのテンミニッツTVでは、行動経済学とマーケティングをテーマにした講義を視聴できます。また、『大学4年間の行動経済学が10時間でざっと学べる』などの著書も出ています。データドリブンで、マーケティングや消費者行動への応用から入りたいなら、最初に当たっておきたい発信者です。

佐々木周作(YouTube「ナニワ大学・行動経済学部ちゃんねる」・著書)

佐々木周作氏は、大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)行動経済学ユニットの特任教授です。行動経済学会の会長も務めています。ナッジや医療現場の行動経済学を研究の柱としてきました。

佐々木氏が運営するYouTubeチャンネル「ナニワ大学・行動経済学部ちゃんねる」では、ナッジや医療現場の行動経済学などを動画で解説しており、著書もあります。テーマを絞った短い動画が中心なので、文章を読むよりも、映像で学びたいときやスキマ時間に少しずつ進めたいときに役立ちます。

相良奈美香(公式サイト・コラム・無料メルマガ)

私自身も、行動経済学者(Ph.D.)としてのアカデミックなバックグラウンドと、行動経済学コンサルタントとしての15年以上の実務経験を元に、公式サイトでコラムを公開しています。無料メルマガでは週2回、行動経済学の概念とビジネス活用を解説しており、YouTube チャンネル(@NamikaSagara_bsg)でも動画を配信しています。著書『行動経済学が最強の学問である』は累計19万部を超えました。

上記は同じ「専門家の発信」でも、それぞれ軸足が違います。大竹・阿部・佐々木の各氏は、大学の研究者として行動経済学をアカデミックに、本格的に発信しています。理論の土台をしっかり押さえたいなら、研究者の発信から入るのが良いでしょう。一方で、私、相良はPh.D.を持つ研究者であると同時に、長い実務経験があります。理論を、ビジネスの現場でどう応用し成果に変えるか。その橋渡しに軸足を置いた発信が特徴です。理論を体系的に学ぶ発信と、実務での使い方から逆算する発信。この2つは、学習の異なる段階をそれぞれ支える役割を持っています。学問としての輪郭をまずつかみたい段階に向くのは研究者の発信です。すでに「仕事でどう使うか」が問いになっているなら、実務寄りの発信が良いでしょう。

オンライン動画サービスで体系的に学ぶ

オンラインの動画サービスでは、行動経済学の入門講座を月額制で受講できます。専門家の発信を追うのは手軽な反面、どこから手をつけるかを自分で組み立てる必要があります。それを肩代わりしてくれるのが、社会人向けオンライン学習サービスの『Schoo』です。

Schooの行動経済学入門では「行動経済学入門」や「実践行動ファイナンス入門」といった講座が用意されています。講師は関西学院大学教授の岡田克彦氏です。月額制で、初学者でもその日のうちに視聴を始められます。順序立てて全体像をつかみたいけれど、まだ書籍や検定には踏み込みたくない。そんな方にピッタリです。

検定・体系プログラムで学ぶ

学んだ内容を資格や修了証などの形に残したい場合、検定や体系プログラムという選択肢があります。学習にゴールがあると、独学では曖昧になりがちな到達度をはっきり確認できます。この分野で代表的なのが、一般社団法人日本営業科学協会の取り組みです。

一般社団法人 日本営業科学協会(行動経済学検定/Degree/銀座行動経済大学校)

一般社団法人日本営業科学協会は、行動経済学を体系的に学ぶための3つの取り組みを運営しています。「行動経済学検定」(1級・2級)、「行動経済学Degree」、そして「銀座行動経済大学校」です。学習を検定という形で確認する道と、カリキュラムに沿って体系的に進める道の両方が用意されています。

協会の公式サイトでは、検定やプログラムの申込が随時受け付けられており、誰でもアクセスできます。独学だと「どこまでやれば身についたのか」が見えにくいですが、検定は「合格」という目標があるため、学習の範囲が定まらず不安、という人には効果的です。

企業研修・公開講座で実務に直結させる

仕事で使うために学びたい、という目的がはっきりしている場合は、企業研修や公開講座が適しています。それは、実務での使いどころを前提に設計されているからです。法人向けの研修であっても、公開講座という形で個人が受講できるものがあります。

インソース「行動経済学(ナッジ理論)活用研修」

株式会社インソースは、行動経済学(ナッジ理論)を活用する研修を専用の商品として提供しています。行動経済学をテーマにした独立した研修として設計されているのが特徴です。

インソースの行動経済学研修ページでは、企業向けの一社研修だけでなく公開講座も用意されており、個人でも受講できます。会社の制度などにかかわらず、明日からの業務でナッジを試してみたい。そういう人が個人で受講できるのが強みです。

リスキル「ビジネスのための行動経済学研修」

株式会社リスキルも、ビジネスのための行動経済学研修を独立した商品として提供しています。一社研修に加えて公開講座があり、少人数でも受講できるようになっています。オンラインにも対応しているため、地方在住でも受けやすいのも特徴です。

リスキルの行動経済学研修ページで、研修内容や受講形式を確認できます。「この場面で使いたい」という具体的な想定がある人ほど、研修の費用対効果は高くなるはずです。受講前に、実務でのマーケティングへの活かし方を押さえておくと、学んだことの吸収が早くなります。

仕事で使えるレベルまで引き上げたい人

ここまで紹介した選択肢に加えて、行動経済学を学び続けたい方に向けて、私が運営している2つの場を紹介させてください。どちらも、実践的に学び続けるための場として位置づけているものです。というのも、行動経済学は使い続けるほど実務での精度が上がるからです。

最強の行動経済学ラボ(月額制コミュニティ)

最強の行動経済学ラボ」は、行動経済学を学び続けるための月額制コミュニティです。LIVEセッションなどを通じて、最新の知見や実践のヒントに継続的に触れられます。単発の学習で止まらず、学びを習慣にする場として運営しています。

最強の行動経済学 for Business(法人・ビジネスパーソン向けプログラム)

最強の行動経済学 for Business」は、法人やビジネスパーソンが行動経済学を実務で使えるレベルまで学ぶためのプログラムです。組織の意思決定やマーケティング、人材マネジメントなど、現場での行動経済学の活用を前提に設計しています。理論を学ぶだけでなく、実装まで踏み込みたい段階に来た方の継続学習の場として用意しているものです。

大学・大学院で本格的に学ぶ(進学・在学が前提)

以下で紹介するものは、学部や大学院への進学、あるいはその大学への在学が前提になります。

名古屋商科大学 経済学部「行動経済学専攻」

名古屋商科大学の経済学部には「行動経済学専攻」が置かれています。学部にこの名称を冠した専攻があるのは、日本では珍しいです。受講するには学部への進学が前提になるため、これから大学で学ぶ高校生か、学び直しで学部進学を考えている人向けの選択肢です。

行動経済学専攻のページで、行動経済学やビジネスエコノミクスなどの科目構成を確認できます。

大阪大学 学際大学院 高度副プログラム「行動経済学」

大阪大学には、学際大学院機構の高度副プログラムとして「行動経済学」が用意されています。すでに阪大に在籍している学生が、自分の専攻に行動経済学を上乗せして体系的に学ぶ、いわば学内向けのプログラムです。

高度副プログラムのページに、必修科目や修了要件が記載されています。

京都先端科学大学 大学院「データサイエンスと行動経済学コース」(院進学が前提)

京都先端科学大学の大学院には、経済学研究科に「データサイエンスと行動経済学コース」があります。コース名に行動経済学を冠しており、データ分析の技法とあわせて学ぶ構成です。受講には大学院への進学が前提になっています。

コースのページで、最新の募集情報を確認してください。

年に一度の集中講座で学ぶ(次回開催を待つ必要あり)

質の高い単発講座の中には、開催が年に一度に限られるものがあります。開催時期をあらかじめ確認しておくことが必要となります。

日経ビジネススクール×大阪大学連携講座「行動経済学で拓く新たなビジネスチャンス」

この講座は日経ビジネススクールと大阪大学の連携で開かれるもので、開催は年に一度です。大阪大学で行動経済学を研究する複数の研究者が講師を務め、ビジネスへの応用を体系立てて学べる構成です。

講座の案内ページで開催情報を確認できます。年に一度の開催のため、申込時期を逃すと次回まで待つことになりますので、受講を考えている場合は開講予定の時期を早めに押さえておきましょう。

自分に合った学び方の選び方

選択肢が多いと、かえって選びにくくなってしまいます。私が学び方の相談を受けるとき、最初に聞くのはいつも同じ2つです。「どこまで深く学びたいか」と「学んだことを何に使いたいか」。この2つが決まれば、選ぶ場所はかなり絞れます。

社会人で、まず無料で触れてみたい人

まずは費用をかけずに雰囲気をつかみたいなら、専門家の発信から始めるのが良いでしょう。note・YouTube・著書・公式サイトは、その日のうちに触れられます。まずはここで触れてみて、「もっと知りたい」と思えたら、月額制のオンライン動画サービスに進んで体系的に見ていくのも良いでしょう。

身近な場面で行動経済学がどう働くかは、行動経済学が日常生活でどう働くかでも具体的に紹介しています。身近な例で行動経済学が腑に落ちていると、その後の体系的な学習がぐっと楽になるはずです。

体系的・本格的に学びたい人

学位や修了の形で本格的に学びたいなら、大学・大学院、あるいは検定・体系プログラムが選択肢になります。学生として進学・在学できる立場なら大学・大学院、働きながらなら検定や体系プログラム。社会人が「本格的に学ぶには大学しかない」と思い込む必要はありません。学位という看板が欲しいのか、体系立った知識そのものが欲しいのか。そこを検討すると良いでしょう。

まとめ

日本で行動経済学を学べる場所は、専門家の発信・オンライン動画サービス・検定や体系プログラム・企業研修や公開講座・大学や大学院の5つの方法をご紹介しました。大切なのは、それぞれに条件があるという点でしょう。専門家の発信やオンライン講座、検定、企業の公開講座は、社会人でも今すぐ始められますが一方で大学・大学院や年に一度の集中講座には、進学・在学・開催時期といった条件がありました。

何から選べば良いか迷ったら、まずは「学びの深さ」と「使い道」をはっきりさせてみましょう。これらをベースに、ぜひ自分に合った学び方を探してみてください。

FAQ

よくある質問

Q社会人でも行動経済学を学べますか?

学べます。専門家の発信やオンライン動画サービス、検定、企業の公開講座など、進学を必要とせず今すぐ始められる選択肢があります。仕事を続けながら学ぶなら、まずは無料の発信から触れて、月額制のオンライン講座へ進むのが現実的です。

Q行動経済学を独学で学ぶことはできますか?

可能です。専門家のnoteやYouTube、著書、公式サイトや無料メルマガなど、独学で学べる素材は十分にそろっています。より深く学びたい段階になったら、検定や体系プログラム、継続的に学べる場を組み合わせると、独学で学ぶ自由さと、体系立った学びを両取りできます。

Q大学に通わずに行動経済学を体系的に学ぶ方法はありますか?

あります。検定や体系プログラム、企業の公開講座、月額制のオンライン動画サービスを使えば、大学に進学しなくても社会人が働きながら体系立てて学べます。

Q行動経済学の検定や資格はありますか?

あります。一般社団法人日本営業科学協会が、行動経済学検定(1級・2級)や行動経済学Degree、銀座行動経済大学校を運営しています。学んだ到達度を目に見える形に残したい人はとても有効です。

Qビジネスで使えるレベルまで行動経済学を学ぶにはどうすればよいですか?

企業研修や公開講座で実務に直結させたうえで、継続的に学び続けられる環境を持つことが近道です。一度の受講で完結させず、学び続ける場を持つことで、知識が実務の成果につながりやすくなります。


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