What you’ll learn
- ハロー効果の意味と、後光を語源とする名前の由来
- ポジティブハローとネガティブハロー、2つの働き方の違い
- 採用面接で、第一印象がその後の受け答えの評価まで左右すること
- 面接官の多くが「能力を見ている」と思い込み、自覚のないまま影響を受けていること
- 第一印象を設計する側に回るという、ビジネスでの活かし方
メルマガ読者のみなさん、こんにちは。
行動経済学者の相良奈美香です。
いつも笑顔で感じのいい店員さんがいるお店だと、置いてある商品まで、なんとなく良いものに見えてくる。テレビでよく見る好感度の高いタレントが宣伝していると、その商品まで信頼できそうな気がしてくる。そんな経験、ありませんか。
今日は「ハロー効果」のお話です。
一つの特徴が、評価全体を染める
ハロー効果とは、人や物事の目立った特徴に引きずられて、その他の評価まで影響を受けてしまう心理のクセのことです。
ハロー(Halo)とは、後光のこと。聖人の頭の後ろに描かれる、あの光のことです。強い光、つまり一つの目立った特徴が、他の特性を覆い隠してしまう。そこから「ハロー効果」と名づけられました。
先ほどのタレント起用が、その一例です。CMで人気のあるタレントを起用するのは、本人の好感度を商品のイメージに結びつけることが目的です。これはポジティブハローと呼ばれています。
ハローは逆方向にも働きます。「店員の態度が悪いから、商品も悪いに違いない」。こんなふうに、一つの悪い印象が他の評価まで引き下げてしまうこともあります。こちらはネガティブハローです。
こうしたことは、日々の買い物の中でも起きています。同じ商品でも、店内が清潔で店員さんの感じが良いお店で見ると、なんだか品質まで良さそうに思えてくる。逆に、入ってみて店内が雑然としていると、置いてある商品まで安っぽく見えてしまう。同じ商品でも、まわりの印象が評価を動かしているわけです。
ハロー効果は、決して新しい発見ではありません。100年以上前から研究されてきた、古典的な現象です。それだけ長く注目されてきたのは、私たちの判断に深く影響しているからでしょう。
第一印象がその後を引きずる
ハロー効果が一番身近に表れるのは、第一印象の場面ではないでしょうか?
たとえば採用面接。最初の数分でハキハキ話し、身だしなみの整った候補者に好印象を抱くと、その後の受け答えまで好意的に聞こえてきます。逆に、出だしで不安な印象を持つと、同じ内容を話していても低く評価しやすくなる。
ところが、面接官の多くは「自分は印象ではなく能力を見ている」と思っています。ハロー効果は、自覚のないところで働いているのです。
プレゼンの場面も似ています。冒頭で論点が整理されていて「この人は信頼できそうだ」と感じてもらえたとしましょう。すると途中に多少わかりにくい部分があっても、全体として良い提案だったと受け取られやすい。反対に出だしで話が散らかっていると、後半でどれだけ良いことを言っても、最初の印象が最後まで尾を引きます。
知っている人だけが、設計できる
ここまで読んで、ハロー効果が働く場面の多さに気づかれたかもしれません。採用面接やプレゼン、タレント起用、店頭での商品の見た目。どれもビジネスによくある場面です。
このクセを知らないと、第一印象に引きずられたまま人を選び、商品を評価してしまいます。しかし、知っていれば、作り手の側に回れます。自社の商品やサービスが、お客様の目にどんな第一印象を与えているか。その印象が、その後の評価をどう左右しているか。ここに目を向けられるようになります。
行動経済学を学ぶ価値は、まさにここにあります。人の判断のクセを知ると、受け手としても対処しやすくなり、また送り手としても、活用法のヒントが見えてきます。採用やマーケティング、ブランドづくりなど、打ち手の幅が変わってきます。
ハロー効果は、だれの頭の中でも起きています。だからこそ、その仕組みを知っている人は、ビジネスで大きな武器を手にしているのだと思います。
FAQ
よくある質問
Qハロー効果とは何ですか?
人や物事の目立った特徴に引きずられて、その他の評価まで影響を受けてしまう心理のクセです。ハロー(Halo)とは、聖人の頭の後ろに描かれる後光のこと。一つの目立った特徴が他の特性を覆い隠してしまうことから、この名前がつきました。
Qポジティブハローとネガティブハローは、どう違いますか?
好感度の高いタレントを起用して、その印象を商品のイメージに結びつけるのがポジティブハローです。一方のネガティブハローは、逆向きに働きます。「店員の態度が悪いから、商品も悪いに違いない」というように、一つの悪い印象が他の評価まで引き下げてしまうことです。
Q採用面接では、ハロー効果はどのように働きますか?
最初の数分でハキハキ話し、身だしなみの整った候補者に好印象を抱くと、その後の受け答えまで好意的に聞こえてきます。出だしで不安な印象を持つと、同じ内容を話していても低く評価しやすくなるのです。それでいて面接官の多くは「自分は印象ではなく能力を見ている」と思っており、ハロー効果は自覚のないところで働いています。





