Topics

トピックス

Category

「買うつもりはないのに、思わずポチってしまった。。。」

これはネットショッピングをしていればよくあることですが、人間は自分が思うほど自制心が強くありません。なのに、「私は誘惑に負けない。衝動的な行動を抑えられる」と自分を過大評価する認知のクセを持っています。これを行動経済学では「自制バイアス(Restraint Bias)」と呼びます。

例えばダイエット中の仕事帰り、疲れて空腹の状態でコンビニに寄るとします。

「明日の朝食べるヨーグルトを買うだけだ」と自分に言い聞かせていても、商品を見るとつい、ビールやジュース、脂っこい太りそうなものも買ってしまう。誘惑に負けてしまうのです。

これが朝だったら、元気でシステム2もよく働いていますし、意志の力も強いはずです。

「いやいや、ヨーグルトしか買わない」と自制できるでしょう。しかし、夜だって大丈夫というのは自制バイアス。空腹で疲れているなと自覚しているときには、ヨーグルトだけ手に取って、後は何も見ず・考えずにレジに直行すべきです。

「誘惑に弱いのに、誘惑に弱いことを理解していない」という非合理さに対処するには、誘惑されそうな状況に身を置かないことです。

何も買うつもりがないなら店に行かない。誘惑に負けないようにしようと意志の力で頑張るより、「自分は誘惑に弱い」と認識し、仕組みを作ることが大切です。

私は最近、「健康意識を上げて、間食もやめたい」という友人から相談を受けたのですが、話を聞いて驚いたのは家にお菓子が大量にあること。まずはそのお菓子を全部手放すように勧め、どうしても食べたいときは、一つだけ買いに一つ分の現金だけを持って歩いて買いに行くように勧めました。このように、行動をやめたい場合には、あえて「小さなひと手間」を加えることも効果があります。他には浪費をやめられない人は、銀行のキャッシュカードだけ持ち、クレジットカードやスマホを持たずに外出する。何か買いたいものがあったら、ATMで現金を引き出して買う必要性を作る。

また、アメリカでは以前クレジットカードを冷凍庫で凍らせ、すぐには使えないようにするというハックが話題になりました。

他にも、ビール好きだが、ちょっと飲むときの量を減らしたいという場合には、あえて冷蔵庫には入れずに常温で保管しておくという友人がいます。そうすると、冷蔵庫に入れて2時間ほど待っている間に「もういいや」となることが多いのです。このように、敢えてひと手間を必要とするようにし、自分で誘惑に打ち勝つ仕組みを作っておきましょう。

「行動経済学が最強の学問である」より抜粋。

Subscribe

サブスクライブ

メディア出演情報・新コンテンツ・新著などの情報を配信。
「もっと行動経済学を学びたい」という方のための「学べる動画」や、
行動経済学に興味ある会社や個人の方のための
コミュニティ形成も計画中です。

Contact

お問い合わせ

行動経済学を取り入れる企業が増えています。
行動経済学的視点を身につけると、
これまで見えていなかった
自社の問題点とその解決策が見えてくることがあります。
まずはお気軽にお問い合わせください。